2018/6/25付の NIKKEI STYLE にストレッチは筋トレ後? 筋肉を増やすための10原則とのタイトルの記事がありました。自重筋トレの本を出しているトレーナーの人が回答者なので、話をそっちへ持って行こうとしているところはありますが、基礎的な話としては役に立つと思いますので一読をお勧めします。

ストレッチは筋トレ後?筋肉を増やすための10原則を読んだ(目次)
1.筋肉痛の時にトレーニングしてもいいのか
2.有酸素運動は筋トレの前後どちらがいいのか
3.自重トレでプロテインを摂ると太るのでは

1.筋肉痛の時にトレーニングしてもいいのか

この中で、私が初めて知ったのは、筋肉痛がある状態で筋トレをしても回復が遅くなることは無いという研究データの話です。さらには、「筋肉痛は2回目のトレーニングではそれほど起こらない」とも書かれています。

なるほどとは思うものの、筋肉痛がある状態では普段と同じ負荷でのトレーニングをおこなうのは無理です。負荷を下げればトレーニングが出来るとしても、そこまで無理して筋トレする必要があるのか疑問です。それなら痛くないところを鍛えるか、または有酸素運動の日にした方がいいのでは無いかと。

そういうレベルの話じゃ無く、自重での腕立て伏せをしてちょっと筋肉痛になったというくらならば、我慢して今日も頑張ってみようというのはありでしょうが。そうではなく、本気でウエイトトレーニングをしている場合の筋肉痛は、気合いで乗り越えられるものじゃないと思います。

そういう意味で考えれば、「筋肉痛は2回目のトレーニングではそれほど起こらない」との話も納得です。ちょっとくらい筋肉痛の状態であっても、我慢して頑張ればさらに筋肉痛がひどくなることは無いと。

2.有酸素運動は筋トレの前後どちらがいいのか

この記事での回答は、筋トレ→有酸素運動が大原則であるとしています。理由は、「筋トレをしてホルモンを分泌させた状態で有酸素運動をすると、最初から効率よく脂肪が燃える」からだと。

この回答自体に異論は無いのですが、この記事のテーマは「筋肉を増やすための10原則」だったのでは?との疑問があります。

脂肪を燃やすのが最優先ならば上記のとおりですが、筋肉を増やすのが最優先ならば、筋トレに続けて有酸素をするのは避けるべきです。

この点については、以前に「筋肉をつけるには有酸素運動をしない方が良い?」とのタイトルの記事にしましたが、筋肉を増やすのが最優先ならばその期間中は有酸素運動をしないのがベストでしょう。

実際にも、ゴールドジムにいるマッチョな方々の中は、コンテスト前の減量期などを除いて有酸素運動をしている人はまずいません。

しかし、普通の人がそこまでストイックに筋トレだけをして、筋肉量を増やしていくのは至難の業であり、筋トレ初心者がおこなえることではありません。そんなわけで、やはり筋トレと有酸素運動も平行しておこなうのが無難でしょう。

そんな場合に採るべき次善の策として、筋肉をつけながら脂肪を落としたいときは、「筋トレをした後、3時間以上空けて有酸素運動をするのがいい」という研究があるというのです。このお話について、詳しくは上記の記事をお読みください。

3.自重トレでプロテインを摂ると太るのでは

最初にご紹介した「筋肉を増やすための10原則」の記事は、筋トレ初心者にも分かりやすく書かれたものでしょうし、決して間違っていることは言っていません。しかし、筋トレ初心者がこれを鵜呑みにして自己流で筋トレしても、たいした効果を得ることができずに、却って太ってしまう可能性が高いと考えます。

ほとんどの場合、筋トレの強度があまりに低いのに対して、プロテインやBCAAなど栄養を摂ることを考え過ぎな人が多いと思います。低強度の筋トレしかしていないのに、今までの食事にプロテインを追加したら、ただ太るだけです。

ゴールドジムでない一般のスポーツクラブではそういうおデブさんをよく見かけます。嫌みっぽい言い方になってしまいますが事実です。育ち盛りの頃を遥かに過ぎた40代が筋肉を付けるのは大変な作業です。本気でやるならば1度はパーソナルトレーナーに見てもらって、効かせるトレーニングを覚えるべきでしょう。

そして、たしかに自重トレでも筋肉は増えるでしょうが、自重の腕立て伏せなら毎回潰れるくらいまでやらないと駄目でしょうし、ウエイトトレーニングをするよりむしろ辛いかもしれません。適切なウエイトを使ってのトレーニングの方が、精神的に楽で効果もあるはずです。

そういうことを理解せずに、筋トレと栄養に関する知識を中途半端に得るだけでは、筋肉は付かずに脂肪ばかり増えていくという結果になりかねません。

私自身も、いつまで経ってもたいした成果を得られずにいるわけですが、それだけ筋肉を増やすのは難しいことなのだと痛感しています。少し気を抜くとすぐに体重は増えるのに、見た目に分かるほどに筋肉を増やすのは本当に大変なことです。