日経ビジネスONLINEに「飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題」とのタイトルの、対談をベースにした3本立ての記事があります。1本目は「アルコール依存症の人は、頑なに認めない」というなかなか刺激的なタイトルです。

ここでの、元アルコール依存症のコラムニスト小田島隆さんの発言を見るとさすがに驚きます。たとえば次のような具合。

どんどん自分がアルコール依存症ではない、という証拠を集め始めるんです。例えば「先週月曜日は飲まなかった」とか。火曜から日曜までは飲んでいるんですけど、「アル中だったら、毎日飲まずにいられないはずだ。1日飲んでいない俺は、アル中ではない」と考える。でもそれは、単に体調がわるくて飲めなかっただけなんですけど。

さらには、『二日酔いがひどくて飲めない、ということですか?』との問いに対しての答えは次の通り。

もう二日酔いどころじゃなくて、水も何も飲めない状態になるんです。何を口に入れても吐いてしまう。だから、点滴をうってもらうしかなくなるんです。私は1993年から95年くらいまでは、月に1~2回は点滴うちに病院に行っていましたね。でも、そんな状態でも「飲んでない日があるから大丈夫」って思うんです。

こんなのを読んでいると、さすがに私とは別世界の話だと思い、自分は大丈夫だと思ってしまうのが危険なところです。

しかし、ここまで来るとまともな社会生活なんて送ることはできないでしょう。ときどき、スーツ姿のサラリーマン風の人が朝から酒臭かったりしますが、そういう人はこんな感じの症状なのでしょうか。

会社勤めの人ならそう長くないうちに仕事を続けられなくなるでしょうし、私自身は自営業であるものの平日9時から17時の間は必ず働いていますから、やはりアルコール浸りの状態では仕事なんてできません。

飲酒習慣スクリーニングテストの結果は

2本目の記事は「酒を断つには、人間関係もリセットするしかない」とのタイトルですが、この中には飲酒習慣スクリーニングテストの質問項目もあります。

このスクリーニングテストからしても、私の飲酒量は非常に多いのは明らかなのですが、『この質問を見ると、アルコール依存症は、頻度や酒量だけが判断基準になっているわけではない』とのこと。記事中の浅部伸一医師の発言は次の通り。

飲酒をコントロールできているかどうか、ということが重視されていますよね。「飲酒のために前夜の出来事を思い出せないことがどれくらいあるか」「飲酒であなた自身や他の誰かがけがをしたことがあるか」といった質問は、許容量を超えて飲んでしまうことがあるかを確認しているのだと思います。

私の場合、ふだんは次の日の仕事に影響が出ない時間には飲み終えるようにしていますし、しっかり睡眠も取っています。この10年以上にわたって最低でも週2回は運動をしていますし、それなのに『アルコール依存症の患者さんはみなさん痩せている』なんて話とは無縁の万年ダイエッターです。

そして、それこそ仕事をする前に迎え酒なんてあり得ません。そんなわけで、休肝日は基本的に無く、毎日の飲酒量も多いものの、今のところ深刻な問題は無いかと思ってみたり。

それでも、最近では酒は百薬の長なんてことはなく、この記事のタイトルにもしたとおり「飲酒は害ばかり」というのが多数意見になりつつあるようですから、そのうち控えていかなければならないのは間違いないです。

二日酔いに効くドリンク剤やサプリメントはあるのか

3本目の記事「酒は百薬の長、ではなかった。それでも飲むなら」では、先ほども発言を引用した、浅部伸一医師がドリンク剤や漢方薬についてもお話をしています。

ちなみのこちらの医師は肝臓病学が専門ですが、お酒好きだとのことです(笑)。

ウコンなどのドリンクについては『ドリンク剤に効き目があるかといわれると……、正確にはわからないですね(笑)。若干、炎症を抑える作用はあると思うので、二日酔いの気持ち悪さを抑える、ということは期待できそうです』とのこと。

さらに、漢方薬については『市販のものならいいんですよ。副作用などを厳しくチェックしてから販売されているので。でも、個人の漢方屋さんで売っているような、「ものすごい臭いがする木の枝」みたいなやつは、気をつけたほうがいいかもしれません。何が入っているかわからないですからね』と発言しています。

私は以前に、肝生(かんせい)という肝機能改善を効能・効果にうたう薬を飲んでいましたが、こういうのなら大丈夫だということでしょうか。さすがに何年も飲み続けるのはいかがなものかと思い今は止めていますけれども、たしかに効果はあったと思っています(そのときの記事は、「肝臓に良いサプリメントを求めて」です)。

その代わりに、今は肝臓保護の効果を期待して3種のサプリメント(シリマリン、オルニチン、スルフォラファン)を飲んでいます(サプリメントの話は、「肝臓に良いサプリメント選び」に書いています。タイトルが似てしまいましたが、上記の「肝生」のとは別の記事です。)。

しかしながら、上記の医師の発言を見てもそうですし、ドリンク剤やサプリメントの効果には否定的なものを多く見ます。これは明確な研究結果などがないからなのでしょうが、たとえば、シリマリンについてネットで調べてみると次のような記述があります。

マリアアザミ(H. Holstein 社 ウェブサイトより)
70~80%のシリマリンを含むマリアアザミの種子エキスは、肝炎、肝硬変などの炎症性肝炎の治療目的としてドイツのコミッションEモノグラフに承認されています。その他の科学的研究においても、シリマリンには線維化の抑制、抗酸化、毒素から身を守る作用が確認されています。

こういうのを見るといかにも効果があるように思えてしまいますけれど、実際のところはどうなのでしょうか。いずれにせよ、サプリメントを飲めば全く二日酔いにならないなんてことはあり得ないものの、継続して飲めば肝臓を守ってくれる効果はあるはずだと信じて飲んでいます。

ちなみに私は、肝臓によさそうなサプリメントを飲むのは、できるだけ朝にするようにしています。というのも、夜に飲むことで次の日の二日酔いが軽減されるとしたら、それだけ毎日の酒量が増えてしまうとの危惧があるからです。

飲み過ぎてしまったときには次の朝の二日酔いをしっかりと受け止めて、それからサプリメントを飲むようにするべきだというわけです。まあ、サプリメントの効果が気休め程度だったとしたら、そんなことしても意味が無いわけですがー。