私はこれまで、「コーヒーにはカフェインが入っており利尿作用があるので水分補給にはならない」と信じていました。コーヒーを飲んでもカフェインの利尿作用によりむしろ脱水症状を引き起こすのだと。

けれども、米国医学研究所(IOM)が2005年に発表したガイドラインによれば、少なくとも日常的にカフェインを摂取している人を対象にした実験では、コーヒーや紅茶といったカフェイン含有飲料を飲んでも24時間尿量が全く増加していないというのです。

カフェインの利尿効果でコーヒーや紅茶などカフェインを含む飲料は水分補給に向かず、むしろ水分が欠乏するのではないかという主張は非常に古くから存在し、1928年に検証論文が発表されているほどだ。
米国の食事摂取基準などを策定している米国医学研究所(IOM)は水分や塩分補給に関するガイドライン「Dietary Reference Intakes for Water, Potassium, Sodium, Chloride, and Sulfate(2005年発表)」の中で、この主張を否定している。

上記の記事によれば『IOMはこれらの結果からコーヒーや紅茶といったカフェイン含有飲料も、日常的に1日当たり200~400ミリグラム程度(コーヒーカップ3~5杯)のカフェインを摂取している人とっては水分補給源となり、脱水症状などの悪影響も与えないと明言している』とのことです。

下記はコカ・コーラ社ウェブサイト中の記事で、「水分補給の専門家であるAnn Grandjean先生へのインタビュー」だそうです。こちらも、上記と同じく米国医学研究所(Institute of Medicine:IOM)による発表を引用しています。

健康者において、カフェイン含有飲料摂取後24時間の尿量は他の飲料摂取後と比較して増えていないこと、カフェイン含有飲料はノンカフェイン飲料と同様に、1日の水分摂取の必要量に有用であることを示す十分なエビデンスがあると判断しました。つまり、カフェイン含有飲料は水分補給に有用でないという一般的な認識が崩れ去ったのです。

今までは、私と同様に「コーヒーなどカフェインの入っている飲料では水分補給にならない」と盲目的に信じていた方も多いかと思いますが、2005年の時点で完全に否定されていたわけです。上記の研究はアメリカ人を対象にしておこなわれたものですけど、日本人だってカフェインが含まれている緑茶を昔から飲んでいるわけですし変わり無いはずです。

そして、あらためて考えてみれば、水よりもお茶を日常的に飲んでいる人が脱水症状になるなんてことは無いはずですから、お茶は大丈夫だけどコーヒーは駄目なんてことも無いでしょうし。

私は、脂肪燃焼の促進やパフォーマンスの向上を期待して、運動前にカフェインを摂ることが多いです。私の場合、ただコーヒーを飲んでいるだけですが、プレワークアウト用のサプリメントにもカフェインを含んでいるものがあります。

これまでは、とくに激しい発汗をともなう有酸素運動の前には、脱水症状になる危険性が高まるのでは無いかと思い、カフェインを摂るのが何となく心配でした。すぐにはトイレに行けない環境の場合には、トイレが近くなったら嫌だというのもありますし。けれども、これからは安心してトレーニング前にカフェインを摂れます。

もちろん、夜にカフェインを摂りすぎると眠れなくなるという問題はあるので、利尿作用の有無とは関係無しにカフェインの摂取タイミングや量には気を使う必要がありますが。

私にとっては非常に驚くべきお話しだったので記事にしてみました。同じく驚いてくださった方がいれば幸いです。